root ipクラウドの料金表設定
料金表の概要(料金表の役割と目的)
料金表は、root ipクラウドにおける請求業務の土台となる仕組みです。
日々の業務で発生する多様な費用情報を事前に整理・管理し、請求書作成を正確かつ効率的に行うためのベースとなります。
あらかじめ料金情報を体系的に整備しておくことで、請求作業のスピード向上や入力ミスの防止につながり、業務全体の品質と生産性を高めることができます。
また、料金表は単なる金額の一覧ではなく、業務ルールや顧客ごとの契約条件など、現場の実務に即した運用が可能な柔軟な設定項目でもあります。
標準的な使い方から、クライアントや案件ごとの個別対応まで、さまざまなニーズに応えることができるのが特長です。
料金表でできること
料金表では、主に以下のような機能と操作が可能です。
- 費用項目ごとの固定金額の設定
手続きにかかる費用を、あらかじめ金額付きで登録することで、請求書作成時に自動的に金額が反映されます。
登録された金額は必要に応じて個別請求書作成時に変更も可能です。 - クライアント別の料金表作成
出願人(企業)ごとに料金表を分けて設定できます。
たとえば特定企業向けの割引価格を個別に設定することができます。 - 国内外区分・法域ごとの適用制御
各料金は、国内外の別や、特許、意匠、商標といった法域ごとに細かく適用範囲を設定できます。
これにより、対象外の費用が表示されないよう制御することが可能です。
これらの機能を活用することで、請求書登録作業の負担を軽減しつつ、クライアントごとの要望にもきめ細かく対応できます。
料金表設定の前提知識
費用科目マスタとは?
費用科目マスタとは、請求書に登録する各費用の名称(科目)を管理するためのマスタです。
たとえば「出願手数料」「翻訳費」「年金管理費」など、実務で発生する費用の項目を、あらかじめ登録しておくことで、請求書作成時にすぐに選択・反映できるようになります。
費用科目マスタには、科目名だけでなく、適用範囲(国内外・法域)やメモ情報なども登録可能です。
これにより、案件の種類や対象国ごとに適切な費用項目を表示・制御できるようになるのが特徴です。
料金表と請求費目パターンとの関係
料金表は、個々の費用科目に金額を紐づける設定ですが、実務上の請求では複数の費用をまとめて一括で扱う場面が多くあります。
このとき活用するのが「請求費目パターン」です。
請求費目パターンとは、「出願」「中間処理」「年金管理」など、特定の手続き単位で費用項目をグルーピングしたものです。
あらかじめパターンを登録しておけば、請求書作成時にそのパターンを選ぶだけで、関連する複数の費用科目が一括で呼び出され、入力作業が大幅に省略されます。
このとき、呼び出される費用項目には、料金表で登録された金額が適用されるため、料金表と請求費目パターンは連動して動作する重要な関係にあります。
料金表の基本設定手順
root ipクラウドでは、あらかじめ「標準料金表」が用意されており、一般的な費用設定についてはそのままご利用いただけます。
この標準料金表をベースに、業務内容やクライアントの契約条件に応じて料金表を追加・編集することで、柔軟な運用が可能です。
ここでは、料金表を活用するための基本的な設定手順をご紹介します。
「メニューバー>設定>設定」→「請求設定>料金表 関連マスタ」

ステップ1:費用科目マスタの登録
最初に、請求対象となる費用の名称(項目)を「費用科目マスタ」に登録します。
これにより、以降の料金表設定や請求書作成時に、項目を選択できるようになります。
ステップ2:料金表への金額登録
次に、登録した費用科目に対して、固定の金額を設定します。
この設定により、請求書作成時に金額が自動で反映されるようになります。
💡ポイント:
固定金額は後から請求書単位で変更可能です。
また、固定金額を登録せずに、請求時に直接入力する運用も可能です。
ステップ3(任意):請求費目パターンへの組み込み
費用科目を手続き単位でグルーピングしておきたい場合は、「請求費目パターン」を活用します。
これは、請求書登録時に一括で複数の費用を追加できるようにする仕組みです。
初期数量の設定も可能です。
💡 活用のヒント:
よく使う定型パターン(例:国内特許出願、商標更新など)だけをパターン化しておくと、作業効率が上がります。
関連動画
料金表設定のポイントとケース別の作成方針
適用範囲の設定ミスに注意
費用科目や料金表の金額を設定する際、「国内外区分」や「法域」の指定を誤ると、必要な場面で費用が表示されない・適用されないことがあります。
- 区分や法域を指定しない場合:すべてのケースに適用される
- 区分や法域を指定した場合:条件に一致する案件にのみ表示される
意図せず絞り込みすぎると、必要な場面で項目が見つからず、原因特定に時間がかかることがあります。設定時には適用範囲を必ず確認しましょう。
料金表のカスタム方法
root ipクラウドでは、クライアントや案件ごとのニーズに応じてカスタム料金表を柔軟に作成・運用することができます。
標準料金表だけでは対応しきれないケースも多いため、実務に即した形でのカスタマイズが非常に重要です。
たとえば、クライアントによって料金が異なる場合やクライアント指定の料金表があるような場面では、カスタム料金表が効果的です。